口コミ・レビュー

やらせ口コミのリスク
景表法ステマ規制とGoogleペナルティ

公開日: 2026.07.20執筆: FACTOR編集部

2023年10月1日——この日から、日本では「ステマ」が景品表示法の規制対象になりました。広告であることを隠した宣伝、つまり、やらせ口コミや報酬付きレビューを「一般客の感想」に見せかける行為は、法律上の問題になり得る時代です。それでも「星を買いませんか」という誘いは、いまだに店舗へ届き続けています。この記事では、何がアウトで何がセーフなのかの境界線を、景品表示法とGoogleポリシーの両面から整理します。

やらせ口コミに関わる2つのルール

店舗の口コミ施策を縛るルールは、大きく2系統あります。ひとつは国のルールである景品表示法(ステマ規制・優良誤認)、もうひとつはプラットフォームのルールであるGoogleのコンテンツポリシーです。

混同されがちですが、両者は別物です。Googleのポリシーに違反すれば口コミの削除やプロフィールの表示制限があり、景品表示法に違反すれば行政による措置命令や社名公表があり得ます。片方をクリアしてももう片方でアウト、という組み合わせも存在するため、両方を知っておく必要があります。

景品表示法のステマ規制:責任を負うのは店側

2023年10月に施行されたステマ規制は、「事業者が自らの商品・サービスについて行う表示なのに、第三者の感想であるかのように見せる」ことを不当表示として禁止するものです。押さえておきたいのは、誰が責任を負うのかという点です。

実際に、口コミ投稿の見返りに割引を提供していた事業者への措置命令も出ています。「みんなやっているから大丈夫」という感覚は、施行前の古い常識と考えたほうが安全です。

Googleのポリシー:削除・表示制限のリスク

Googleの口コミポリシーは、法律よりさらに広い範囲を禁止しています。主なものを挙げます。

ほかにも判断の要る線があり、どの線に当たるかは声のかけ方と、誰に・どの場面で渡しているかで変わります。

違反が検出された場合、口コミの削除にとどまらず、新規口コミの受付停止や、プロフィール全体への警告表示が行われる運用が、海外では始まっているとされています。積み上げた口コミ全体の信頼が一度に崩れるのが、このリスクの怖いところです。

注意

代筆・購入と、依頼導線の設計と返信の運用は、まったく別の仕事です。前者は投稿そのものを外部が作りますが、後者は実際に来店したお客様が書きやすい状況を設計し、届いた口コミに返信する仕事です。ポリシーの検出を回避したうえで安全に投稿を増やせる手法というものは、公開情報の範囲では確認されていません。

境界線は、どこで引かれているのか

割引と引き換えに口コミを募る、実体験のない投稿を買う——この両端は、どちらのルールから見ても線の外側にあります。迷いやすいのはその間です。会計時に声をかけること自体を禁じるルールはありませんが、同じ声かけでも、誰に、どの場面で渡しているかによって映り方が変わります。届いた口コミへの返信も推奨される運用でありながら、どこまで踏み込むかで読み手の受け取り方が割れます。

境界線は結局、見返りと選別という二つの軸で引かれています。厄介なのは、この軸の当たり方が「やっているつもりがあるか」ではなく外からどう映るかで決まることです。同じQRカードでも、渡す場面が偏っていれば選別と読まれる余地が残ります。自店の運用が線のどちら側に立っているかは、実際の渡し方と、いま入っている口コミの並びを突き合わせないと決まりません。

安全な依頼導線は、なぜ店ごとに違うのか

安全に増やす道は、依頼を仕組みに落とすことに尽きます。ただし、これを設計と呼べる水準にするには、声をかける瞬間と担い手、全員に案内する形をどう保つか(選別すればレビューゲーティングです)といった決めごとが互いに絡み合い、一つを動かすと残りの答えも変わります。決めきった店とそうでない店で、件数の差は着実に開きます。そして決めかねている期間は、そのぶん口コミの並びが競合に開かれたままになります。星の数と件数で先に比較される以上、行こうとしていた人は隣の店の並びに吸われ続け、取りこぼした側の数字は自店にはどこにも出てきません。しかもこの導線は、業種によって置ける場所がまったく違います。満足がその場で確定する業態と、店を出てしばらく経ってから確定する業態では、依頼を差し込める瞬間が正反対の場所にあるからです。他店でうまくいった型をそのまま持ち込んでも、噛み合わなければ件数は動きません。自店の場合どの瞬間に置くべきかは、来店から会計までの流れと、いま口コミがどう積まれているかを見ないと決められません。GoogleマップのURLを貼ると要点がその場で表示される無料のAI診断で、いまの見え方は外から押さえられます。当社の支援先には、口コミが749件まで積み上がった店舗もあります。※当社FACTORは、この依頼導線の設計と、届いた口コミへの返信(外国語レビューを含む)を、設計から運用ごと引き受けています。入り方を組むとき見ているのは自店の件数だけではなく、同じ商圏の競合にどんな間隔で口コミが入っているか、その分布から自店がどう外れて見えるかです。競合側の入り方の推移は自店の管理画面には一行も残らないため、店の中からは最初から組み立てようがありません。代筆・購入は一切行いません。

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よくある質問

割引と引き換えに口コミをお願いするのはアウトですか?
Googleのポリシーでは、金銭や割引などの見返りと引き換えに口コミを募る行為は禁止されています。また、見返りの提供を隠して良い口コミを書かせる形は、景品表示法のステマ規制の問題にもなり得ます。「口コミを書いたら○○円引き」のような施策は、星の数を指定していなくても避けるべきです。自店の声のかけ方がその線のどちら側にあるかは、いつ誰がどう渡しているかを実際に見ないと決まりません。
スタッフや家族に口コミを書いてもらうのは問題ありませんか?
問題があります。Googleは実体験に基づかない口コミや利害関係者による口コミを禁止しており、削除対象です。お店側の人間による投稿は、内容が事実でも「本物の顧客の声」ではないため、発覚すれば店舗の信頼を大きく損ないます。自店の口コミの入り方が不自然に見えていないかは、外から並びを確かめないと分かりません。
見つからなければ、口コミの購入や代筆を使っても問題ありませんか?
問題があります。口コミの購入・代筆はGoogleのポリシー違反であり、景品表示法上のリスクも店舗側(依頼主)が負います。ステマ規制で措置命令の対象になるのは広告主です。検出を確実に避けられる手法は公開情報の範囲では確認されておらず、発覚したときに失うものが大きすぎます。すでに入っている口コミにその種のものが混ざって見えていないかは、投稿の分布を並べないと判別できません。

まとめ

やらせ口コミのリスクは、「Googleに消されるかもしれない」という次元から、「法律違反として社名が公表されるかもしれない」という次元に変わりました。しかも責任を負うのは、書いた業者ではなく依頼した店側です。そして本当に厄介なのは、自店の依頼の仕方が線のどちら側に映っているかを、店の中からは確かめようがないことです。外から見たときの出方は店の中からは再現できないので、そこだけは持っている側に出してもらうほうが早い。まずは現状を外から見てもらうところから始めてください。

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F FACTOR編集部

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