月曜の朝、Googleビジネスプロフィールの投稿画面を開いて手が止まる。先週は新メニュー、その前は営業時間のお知らせ、その前は…と遡って、「もう書くことがない」。店舗運用でいちばん最初に止まるのが、この投稿です。この記事では、ネタ切れの正体が「ネタの不足」ではないこと、そして続く店と止まる店がどこで分かれているのかを整理します。
投稿が続かない本当の理由
「ネタがない」と言われますが、話を聞いていくと原因はたいてい別のところにあります。症状の出方はさまざまでも、根は共通していて、投稿が個人の気力と思いつきに預けられていることです。毎回ゼロから考えれば書き始めるまでが重くなり、逆に一本を作り込みすぎれば月に一度も出せなくなる。どちらに振れても、行き着く先は同じ「止まったプロフィール」です。
投稿は、思いつきではなく仕組みで回すものです。ただ、この「仕組み」がいちばん難しいところで、繁忙期に飛び、そのまま数か月止まるというのが典型的な折れ方です。仕組みで回すと言っても、何を前もって決め、何を月ごとに決めるかの線引きは業種と体制で変わり、ここを取り違えると、どれだけ準備しても止まります。
止まった投稿は、単に「更新されていない店」に見えるだけでは終わりません。前回の投稿日が古いまま残るため、閲覧者から見ると営業しているかどうかも判然としない状態になります。比較している客ほど、その時点で更新の続いている隣の店を選びます。ネタ切れの実害は、書けないことそのものではなく、途中で止まった痕跡が残り続け、その間の来店が黙って他店に流れることのほうにあります。
「型」を用意しても止まるのはなぜか
投稿の中身は、新メニューの案内や季節の告知のように、ある程度決まったパターンに分けられます。パターンの一覧を作ること自体は難しく見えませんし、実際にそうした一覧を用意する店も少なくありません。それでも止まるのは、一覧を持っていることと、自店に合うものを選んで回し続けることが、まったく別の作業だからです。
全部を均等に回そうとすると必ず破綻しますし、逆に絞りすぎると同じ話が数か月おきに戻ってきて、閲覧者から見ると更新が止まっているのと変わらなくなります。どれを使い、どれを外すかは、業種、立地、そして狙っている検索語句で決まります。同じパターンでも、置かれた条件によって働き方が逆を向き、ある店では来店の決め手になる投稿が、別の店では読み飛ばされるだけ、ということが普通に起こります。
告知ばかりになる店が多いのも、同じ構造から来ています。告知が続くと閲覧者は投稿を読み飛ばすようになり、いざ知らせたいことがあるときに届かなくなります。宣伝色の薄い投稿をどれだけ挟めるかで、告知の効き方そのものが変わりますが、何をどれだけ挟めばよいかに一律の比率はありません。
型を年間カレンダーに落とすときに詰まるところ
パターンが決まったら、次はカレンダーに置く作業です。ここで多くの店が「毎週これ」という表を作るのですが、表を作った時点で満足して終わるのがよくある結末です。詰まるのは表の形ではなく、その手前と先にあります。
先が読める投稿と、その月に決める投稿
投稿には、カレンダーで先が読めるため前もって準備できるものと、その月に起きたことを見てから決めるしかないものがあります。どこまでを前者に寄せられるかで続き方が変わりますが、その線は一律には引けません。線引きが個人の気力に委ねられている店は、繁忙期の一度の中断で戻れなくなります。
どこまでを前もって決めておけるかは、業種の季節性で変わります。年間のイベントが決まっている業種なら厚くできますが、来店動機が天候や景気で動く業種では、先に決めすぎると内容が実態からずれた投稿になります。
入れ替えの判断を誰が持つか
本体はこちらです。その月にあったことのうち何を投稿に値すると決めるのか。そして数か月回して反応の薄い投稿の型を、いつ・何と入れ替えるのか。どれを外すかの判断が、型を用意することよりも結果を左右します。
入れ替えの判断が難しいのは、投稿の反応が単独では読めないからです。同じ投稿でも季節や競合の動きで数字が動くため、一時的に落ちているのか、その型自体が自店で効かないのかは、同じ時期に同じ商圏の競合が何を出していたかと並べて初めて切り分けられます。その比較材料は自店の管理画面には残らないので、ここを決める人が社内にいても材料が揃わず、結局は毎回ゼロから考える状態に戻ります。
投稿は一定期間で「最新情報」の目立つ位置から流れていく仕様とされています。この仕様がある以上、1本を作り込むことと、切らさずに出し続けることは、同じ労力では両立しません。どちらに寄せるかは店の体制と、競合がどれだけ投稿しているかで決まります。
書き出しで手が止まる本当の原因
投稿画面の前で固まるのは、文章力の問題ではありません。その投稿で何を伝えるかが決まっていないまま書き始めているからです。パターンを選んだだけでは、この決定は済んでいません。同じ「よくある質問への回答」でも、どの質問を選ぶかで、来店につながる投稿にも、誰も読まない投稿にもなります。
もうひとつ効いてくるのが、表示の仕様です。投稿は一定の長さを超えると途中で折りたたまれ、閲覧者が読むかどうかは冒頭で決まる構造になっています。書きたい順番と、読まれる順番は一致しません。写真や導線にも同じように、画面上の見え方と作り手の意図がずれる箇所があり、どこがずれているかは閲覧者の画面で見たときにしか分かりません。
自店でどの投稿を軸に置き、どれを外すべきかは、現在のプロフィールの状態と、狙う語句で競合がどう投稿しているかを見ないと決められません。GoogleマップのURLを貼ると要点がその場で表示される無料診断で、外から見た現状を先に押さえておくと、話が早くなります。
※当社FACTORが投稿の組み立てを判断するとき、見ているのは貴店の投稿の反応だけではありません。同じ商圏で同じ語句を狙う競合が、いつ・どんな投稿を出しているか、そして検索する地点や時点を変えたときに、上位に並ぶ店がどう入れ替わるかを並べたうえで、どれを残しどれを外すかを決めています。この並びと入れ替わりは、店の管理画面には一行も残りません。担当者の努力の問題ではなく、記録の取りようが最初から店の中にない情報です。
踏むと戻せない線がある
投稿で特に避けたいのが、口コミ投稿と引き換えの特典告知です。Googleのポリシーで禁じられているうえ、ステマ規制の観点からも問題になり得ます。対価で集めた口コミと判断されれば削除の対象になり、積み上げた評価そのものを失いかねません。ほかにも判断の要る線があり、どの線に当たるかは扱う商材と業種の規制で変わります。
もうひとつ、線を踏まなくても起きる損があります。投稿は「動いている店」というシグナルになりますが、基本情報が誤っている状態で投稿を増やすと、来店直前の離脱がむしろ増えます。動いている店に見えるぶん、確認しに来る人が増えるからです。投稿と情報の棚卸しは片方だけでは効かず、どちらにどれだけ手をかけるかは、いま自店のどこが穴になっているかで決まります。
よくある質問
Googleビジネスプロフィールの投稿はどのくらいの頻度が適切ですか?
投稿には毎回写真が必要ですか?
キャンペーンの告知ばかり投稿してもいいですか?
まとめ
Googleビジネスプロフィールの投稿がネタ切れするのは、ネタが足りないからではなく、投稿が個人の気力に預けられ、どれを残しどれを外すかの判断が誰にも持たれていないからです。そしてこの判断は一度決めれば済むものではありません。季節が変われば効く投稿が入れ替わり、競合が投稿を始めれば差別化の位置が動きます。投稿が「作業」ではなく順位と来店を狙う打ち手になるのは、この入れ替えが月次で回り始めてからです。止まっている間の来店は、更新の続く隣の店に流れています。
自店の投稿が外からどう見えていて、競合と比べてどこが抜けているか。その出方は店の中からは再現できないので、商圏の並びを持っている側(当社)に出してもらうほうが早く確かです。
NEXT ACTION
この記事の内容、貴店の場合はどうなっているか気になりませんか?
記事で挙げた観点が自店に当てはまるかは、実際の状態を見ないと判断できません。まず現状の把握から。
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