自社サイトのFAQページ、最後に更新したのはいつですか。そして、そこに並んでいる質問は、実際にお客様から聞かれたものでしょうか。多くのサイトのFAQは、開設時に想像で作った5問がそのまま残っています。FAQページは、質問の選び方でほぼ勝負が決まります。AI検索は「質問と答えが1対1で完結している構造」を扱いやすいため、正しく作ればコストの割に効きやすい施策です。この記事では、質問の集め方から実装まで10ステップで整理します。
STEP1-3|質問を集める
STEP1. 実際に受けた質問を書き出す
最優先の情報源は、電話・メール・店頭で実際に聞かれた質問です。想像で作った質問と、実際に聞かれた質問は驚くほど違います。1週間、受けた質問をメモに残すだけで20〜30問は集まります。
集めるときのコツは、お客様が使った言葉のまま記録することです。「予約変更の可否」ではなく「明日の予約って前の日でも変えられますか」。この生の言い回しが、そのまま検索クエリに近くなります。
STEP2. Search Consoleの検索クエリを見る
すでにサイトがある場合、Search Consoleの「検索パフォーマンス」で表示回数のあるクエリを確認します。疑問形のクエリ、「〜とは」「〜 方法」「〜 いくら」を含むものを拾ってください。表示はされているのにクリックされていないクエリは、FAQで答えるべき候補です。
STEP3. 口コミと問い合わせフォームを読み返す
口コミには「事前に知りたかった」という情報が含まれています。「駐車場が分かりにくかった」という声があれば、それは「駐車場はどこにありますか」というFAQで先回りできる内容です。
質問の候補が30問ほど集まっていれば十分です。全部を公開する必要はありません。次のステップで頻度と重要度で絞り込みます。
STEP4-6|書き方を整える
STEP4. 10〜15問に絞る
数を増やせばよいというものではありません。頻度が高い順に10〜15問。1ページに50問並べると、どれも埋もれます。テーマが多い場合は、ページを分けるほうが読みやすくなります。
STEP5. 質問文はお客様の言葉で書く
社内用語や整理された表現に直さないでください。
- ×「キャンセルポリシーについて」→ ◯「当日キャンセルした場合、料金はかかりますか?」
- ×「施術時間」→ ◯「施術は何分くらいかかりますか?」
- ×「駐車設備の有無」→ ◯「駐車場はありますか?何台停められますか?」
STEP6. 回答は結論から、100〜200字で
回答の型は「結論 → 条件・例外 → 補足」の順です。冒頭で「はい」「いいえ」「〜の場合はできます」をはっきり書く。長さは100〜200字が扱いやすい範囲です。短すぎると情報不足、長すぎると要点がぼやけます。
注意点として、「お問い合わせください」で終わる回答を作らないこと。それは答えになっていません。金額に幅があるなら幅を書く、条件によるなら条件を書く。書けない事情があるなら、なぜ書けないかを1行添えるだけで印象が変わります。
STEP7-8|構造化データを実装する
STEP7. FAQPageスキーマを追加する
JSON-LD形式で、質問と回答の対応をマークアップします。CMSによってはプラグインで対応できます。基本の形は次のとおりです。
- 「@type」を「FAQPage」にする
- 「mainEntity」に質問の配列を入れる
- 各質問は「Question」型で、「name」に質問文、「acceptedAnswer」に回答を入れる
ページ上に表示されている内容とスキーマの内容を一致させること。本文にない質問をスキーマにだけ書く、回答文を変えて書く、といった実装はガイドライン上も推奨されません。ページに見えているものだけをマークアップしてください。
STEP8. 検証ツールで確認する
Googleのリッチリザルトテストや、Search Consoleの拡張レポートでエラーがないか確認します。書いたつもりで構文エラーが出ている、というのはよくあることです。実装したら必ず検証、をセットにしてください。
STEP9-10|置き場所と更新
STEP9. 置き場所を決める
FAQの置き方には3パターンあります。
| 置き方 | 向いている場合 | 注意点 |
|---|---|---|
| 独立したFAQページ | 質問数が多い、全体を一覧させたい | 個別記事から導線を張る必要がある |
| 各サービスページの末尾 | そのサービス固有の質問がある | ページごとに内容を変える手間 |
| コラム記事の末尾 | 記事のテーマに紐づく質問 | 記事内容と重複させない |
迷ったら「そのページを読んだ人が、次に抱く疑問」を置くと考えると決めやすくなります。料金ページの末尾には料金の疑問を、アクセスページには行き方の疑問を。
STEP10. 更新の仕組みを作る
FAQは作って終わりにすると、1年で情報が古くなります。料金改定、営業時間変更、サービス内容の変更——どれもFAQの記載に影響します。
現実的な運用は、四半期に1回、15分だけ見直す時間を取ることです。そのときに、新しく増えた質問を1〜2問足し、古くなった回答を直す。加えて、問い合わせのメモを貯める場所を1か所決めておくと、見直しの材料が自動的に溜まります。※このFAQの整備と更新は当社FACTORでも運用支援の一部としてお引き受けしています。余談まで。
やりがちな失敗3つ
- 質問が想像で作られている:実際に聞かれていない質問ばかりが並ぶ。これが最も多い失敗です
- 回答が宣伝になっている:「当社は業界随一の実績で〜」という回答は、質問の答えになっていません。売り込みを混ぜると、FAQとしての信頼性が落ちます
- スキーマと表示内容がずれている:プラグイン導入時に起きやすい事故です。実装後は必ず実際のページを見て、表示とスキーマが一致しているか確認してください
逆に言えば、この3つを避けて実際の質問を10問並べるだけで、多くのサイトのFAQより実用的なページになります。手間の割に効きやすい施策というのは、こういう領域を指します。
よくある質問
FAQは何問くらい載せるのが適切ですか?
FAQPageの構造化データを入れれば検索結果に表示されますか?
「お問い合わせください」という回答は避けたほうがいいですか?
既存のFAQページはどう見直せばいいですか?
まとめ
FAQページの出来は、質問の選び方でほぼ決まります。想像で作った5問より、実際に聞かれた10問。集める手段は、1週間の問い合わせメモとSearch Consoleの検索クエリ、そして口コミの読み返しです。書くときは結論から100〜200字、「お問い合わせください」で終わらせない。構造化データは表示内容と必ず一致させる。そして四半期に15分の見直しを予定に入れる。ここまでやれば、手間に対する見返りが大きい施策になります。
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