AI検索対策(LLMO)

AI概要がAIモードへ自動展開|
店舗検索への影響【2026年9月】

公開日: 2026.09.05執筆: FACTOR編集部

先に結論を書きます。下に押されるのはリンクの位置であって、店舗が探される回数ではありません。2026年8月末、Google検索のAI Overview(AIによる概要)が「もっと見る」を押さなくても全文で展開し、その下に追質問の入力欄が最初から開いた状態で表示される挙動が、米国のSEO専門メディアで報じられました。Googleの広報担当者は「一部の検索では、AI Overviewが動的に展開することがある」という趣旨の声明を出したと伝えられています。通常の検索結果、いわゆる青いリンクの並びは、その分だけ画面の下へ移動します。店舗にとってこの変化は「リンクが見られなくなる」話ではなく、探す行為の中心が、リンクの一覧から、AIとの問答へ移りつつあるという話です。何が変わり、何が変わらないのかを順に見ていきます。

報じられている範囲で何が起きたのか

まず事実の範囲を区切っておきます。2026年8月27日、米国のSEO関係者がX上で「一部の検索でAIモードの入力欄が最初から表示されている」と指摘し、翌28日に米国の検索専門メディアがこれを追試して報じました。同メディアによれば、Googleの広報担当者は「一部の検索では、当社のシステムが最も有用だと判断したトピックについてAI Overviewが動的に展開する」という趣旨のコメントを出したとされています。あわせてGoogle側の担当者が「利用者がすでにスクロールを始めている場合は、読んでいる位置を失わないよう展開を止める」と補足したとも伝えられています。

従来のAI Overviewは、冒頭の数行だけが表示され、続きを読むには「もっと見る」を押す必要がありました。今回報じられた挙動では、その操作なしに全文が展開し、さらに「何でも聞いてください」にあたる追質問の入力欄が開いた状態で置かれます。つまり検索結果のページが、最初からAIモードの画面に近い形で開くことになります。

POINT

ここまでが確認できている範囲です。全検索に適用されたという発表はなく、「一部の検索」「動的に」という表現が使われています。どの検索語で起きるのかの基準は公開されていません。ここから先は、店舗の実務にどう効くかの推測を含みます。

通常の検索結果が下がると、店舗の何が影響を受けるのか

影響を受けるのは、自社サイトのページが検索結果の一覧に並んでいることで得ていた流入です。AIの回答が長くなり、追質問の入力欄が加わると、リンクの一覧は画面の下に移ります。スクロールしなければ見えない位置まで押されれば、そこにあるページの閲覧数は減ります。米国ではこの点を、情報を発信するメディア側への打撃として受け止める声が多いと報じられています。

ただし店舗の場合、事情はメディアと同じではありません。「近くの歯医者」「駅前 ランチ」のような場所を伴う検索では、Googleマップの店舗一覧(ローカルパック)が別枠で表示されます。この枠は通常のリンク一覧とは別の仕組みで組まれており、AI Overviewの展開でどう位置が変わるかは、報道の範囲では言及されていません。店舗にとっての主戦場がこの枠にある以上、「リンクが下がった」という見出しだけで自店の状況を判断するのは早計です。

逆に、影響が読みにくいのは検索結果に直接出ている店舗情報がAIの回答にどう取り込まれるかのほうです。AI Overviewは、回答を組み立てる際に参照した情報源を示します。展開が長くなるということは、参照される情報の量も増えるとみられます。その中に自店の情報が含まれているかどうかで、同じ検索でも見え方は分かれます。

追質問が前提になる検索で、店舗情報はどう読まれるか

今回の変化で、実務上もっとも重い意味を持つのは、追質問の入力欄が最初から開いている点だと考えています。利用者は一度の検索で終わらず、「駐車場はある?」「子連れでも大丈夫?」「今日は開いてる?」と続けて聞く前提で画面が設計されています。

この問答の中で、AIは店舗に関する具体的な事実を探しにいきます。営業時間、定休日、支払い方法、設備、対応できる内容。これらは公式サイト、Googleビジネスプロフィール、口コミ、ポータルサイトなど複数の面に散らばっています。散らばった情報のあいだで内容が食い違っている店は、追質問のたびに違う答えを返されることになります。片方では「駐車場あり」、もう片方では記載なし、という状態は、リンクの一覧を眺めていた時代には利用者の目に触れにくかった矛盾でした。問答形式ではそれが前面に出ます。

ここで店舗側が誤りやすいのは、「AIに読ませるための特別な何か」を新しく作ろうとすることです。Google側は、生成AIによる回答のために特別にやるべきことはない、という趣旨の説明を繰り返しているとされています。参照されるのは、すでに公開されている情報です。差が出るのは新しく何を足すかではなく、いま出ている情報のどれが読まれ、どれが読まれていないかの把握です。

ただし、この把握が社内では難しい。自店の情報を自分で読んでも、書いていないことは欠落として見えません。AIが自店をどう説明しているかは、実際の応答を外から確かめないと分からない領域です。現状の見え方を確認するところから入るほうが、判断の材料は早く揃います。GoogleマップのURLを貼れば、要点はその場で表示されます。

日本語の検索でどこまで起きているのか

正直に書くと、日本語の検索でこの挙動がどの程度の範囲で出ているかは、当社でも確認しきれていません。報道は米国の英語検索を対象にしたもので、Googleは「一部の検索」としか説明していません。日本語のAIモード自体は2025年9月に提供が始まっており、AI Overviewから文脈を保ったままAIモードへ移る動線は日本でも用意されています。今回の変化はその動線をさらに短くするものなので、日本語の検索に及ぶのは時間の問題だとみられますが、時期を断定できる材料はありません。

実務上は、「まだ日本では起きていないから様子を見る」という判断と、「起きたときに整っている状態にしておく」という判断の分かれ目になります。前者を選ぶ店が多いほど、後者を選んだ店との差は、変化が及んだ瞬間に開きます。

対応を後回しにした場合に起きること

放置した場合の損失を具体的に書いておきます。情報の食い違いを抱えたまま問答形式の検索が広がると、利用者は古い情報や不正確な情報をもとに来店の判断をします。定休日を間違えて来た、駐車場がないと思って別の店に行った、対応していないと案内されたが実際は対応していた。この種のずれは、来店の機会を失うだけで終わりません。不満は口コミに書かれ、その口コミが次の問答でAIに拾われます。誤情報が口コミという形で再生産される連鎖が起きると、元をたどって直すのが難しくなります。

もう一つの損失は見えにくいものです。追質問で自店の情報が出てこないとき、AIは何も言わずに他店の情報で答えを組み立てます。自店が候補から外れたことは、店側には通知されません。流入が減った理由を管理画面で探しても、そこには「AIの問答で選ばれなかった」という項目はありません。減ったことに気づくのが遅れ、気づいても原因にたどり着けない。ここが、この変化の厄介なところです。

どこで差がつくのか

AIの問答で自店がどう扱われるかは、自店の情報の量だけでは決まりません。同じ商圏で競合が何をどこまで書いているか、その並びの中で自店の記述がどの位置にあるかで結論が変わります。周囲の店が揃って設備の情報を出しているエリアで自店だけ出していない場合と、誰も出していないエリアで自店だけ出している場合とでは、同じ一行の重みがまるで違います。

差がつくのは、どの情報を公式サイトに置き、どれをビジネスプロフィールに置き、どれを外部の面に委ねるかという配分です。この配分に一律の正解はありません。業種によって利用者が追質問で確かめたい内容が違い、商圏の競合の記述量によって基準線が動くからです。

当社FACTORがこの判断を引き受けるとき、見ているのは自社サイトとビジネスプロフィールの中身だけではありません。同一商圏で競合がどう並んでいるか、他社の店舗が同時期にどこへ手を入れているか、AIの応答で誰が引用されているかまで並べたうえで、自店の記述をどこに寄せるかを決めています。この種の情報は自社の管理画面には出てこないので、社内だけでは組み立てにくい領域です。

報道されている変化は、検索の入口がリンクの一覧から問答へ移る流れを一段進めるものです。自店がその問答の中でどう答えられているかは、実際の応答と商圏の並びを見ないと分かりません。まずは現状の確認から始めてください。

よくある質問

AI Overviewが自動で展開すると、Googleマップの店舗一覧も見られなくなりますか?
報道の範囲では、ローカルパック(マップの店舗一覧)の位置への影響は言及されていません。通常のリンク一覧が下に押されることは確認されていますが、店舗一覧は別の仕組みで表示されます。自店の検索語でどの枠がどう出ているかは、実際の検索結果を確認しないと判断できません。
日本語の検索でもこの挙動は起きていますか?
報じられているのは米国の英語検索での確認で、Googleは「一部の検索」と説明しています。日本語での適用範囲を示す公式情報はありません。自店に関わる検索語でAI Overviewがどう表示されているかは、対象の検索語ごとに確かめないと分かりません。
AIの問答に備えて、店舗側で新しく作るべきものはありますか?
Google側は生成AIの回答のために特別な対応は不要という趣旨の説明をしているとされています。参照されるのは既存の公開情報なので、何かを新設するより、いま出ている情報のどれが読まれているかの把握が先になります。どの面の情報が引用されているかは、実際のAIの応答を外から確認しないと分かりません。

まとめ

確認できているのは、2026年8月末に一部の検索でAI Overviewが「もっと見る」なしに全文展開し、追質問の入力欄が最初から開く挙動が報じられたこと、Googleがこれを「一部の検索での動的な展開」と説明したとされること、ここまでです。日本語検索への適用範囲は分かっていません。それでも読み取れるのは、探す行為の中心がリンクの一覧から問答へ移る流れが一段進んだという事実です。問答の中で自店が正確に答えられているか、商圏の中で自店の記述がどの位置にあるかは、自社の管理画面を眺めていても分かりません。まずは外から見た現状を確認してください。

NEXT ACTION

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F FACTOR編集部

MEO・LLMO・Web集客の支援実績 約50業界・100社超。AI×人の運用で「検索とAIに選ばれる」店舗づくりを支援しています。運営: FACTOR株式会社(東京都豊島区)