会社選び・費用

MEOの内製が続かなくなる構造|
体制はどこで崩れるのか

公開日: 2026.09.15執筆: FACTOR編集部

先に結論を書きます。社内でMEOを回す体制が続かなくなるのは、担当者が怠けたからでも能力が足りなかったからでもありません。この作業が、社内の仕事として評価できない形をしているからです。だから、やる気のある担当者を据えても、手順書を整えても、同じところで止まります。実際、立ち上げた直後は動いていたのに半年後には更新が途絶えている、という相談をよく受けます。何が起きているのかを、作業の性質から見ていきます。

止まるのは「始められない」からではない

内製の相談で最初に出てくる心配は、たいてい「やり方が分からない」です。ところが実際に止まる会社を見ていると、立ち上げの段階はほぼ問題なく通過しています。情報の登録も、写真の追加も、最初の投稿も、多くの担当者は問題なくこなします。

止まるのは、そのあとです。最初のひととおりが終わり、目に見えて埋まる欄がなくなったところから、更新の頻度が落ちていきます。そして落ちたことに誰も気づかないまま数ヶ月が過ぎる。崩れるのは着手ではなく、継続のほうです。

ここで「担当者の意識の問題だ」と結論づけると、次の担当者に変えても同じことが起きます。人を入れ替えても再現するなら、それは人の問題ではありません。

社内の評価の仕組みと噛み合わない

社内の仕事は、終わったかどうかが分かる形をしています。請求書を出した、在庫を数えた、見積もりを送った。終わりがあり、やっていなければ誰かが困る。だから後回しにされません。

MEOの運用は、この形になっていません。今週やらなくても、今日は誰も困らない。困るのは数ヶ月後で、しかもそのときには、更新が止まったことが原因だと特定できる形では現れません。順位が少し下がっている、電話が少し減っている。それだけです。

POINT

やらなかったことの結果が、やらなかったこととして返ってこない。この性質を持つ仕事は、社内でどれだけ優先順位を宣言しても、締め切りのある仕事に押し出されます。担当者が判断を誤っているのではなく、締め切りのあるほうを先にやるという判断自体は正しいからです。

そして、この作業には終わりの合図もありません。どこまでやれば今月分が完了したのか、担当者自身が決められない。終わりが決められない仕事は、報告にも上がりません。上司の側からも進んでいるのかどうかが見えないので、止まっていることに気づく人がいなくなります。

判断が要る作業と、手を動かす作業が分かれていない

もうひとつ、この仕事に固有の事情があります。作業に見える工程の中に、判断が埋まっていることです。

写真を追加する。説明文を直す。投稿を出す。どれも手を動かす作業に見えますが、実際に結果を左右するのは、どれを選び、どう並べ、いつ入れ替えるかのほうです。そしてこの判断の材料は、店の中にありません。同じ商圏で並ぶ他店が何を出しているか、その並びが時期によってどう動くかを見ないと、選びようがないからです。

社内の担当者は、自社の管理画面を見て作業します。管理画面には自社の数字しか出ません。つまり、判断に必要な情報が画面に映らないまま、判断が要る作業を任されている状態になります。

この状態が続くと何が起きるか。担当者は、判断を避けられる作業だけを選ぶようになります。前回と同じ形式の投稿を出す、季節の写真を足す。手は動いているのに、並びの中での位置は変わらない。動いているのに成果が出ないという状態が続くと、今度はやる意味が社内で疑われ始めます。放置すれば、担当者の時間と社内の信用の両方を使いながら、位置だけが動かないという結果になります。

いま自社の運用が、並びの中でどのあたりにいるのかは、社内の作業記録からは分かりません。外から見たときの自店の状態を確認すると、手が足りていないのか、判断の材料が足りていないのかの見当がつきます。GoogleマップのURLを入力すれば、要点はその場で表示されます。

※この「どれを選び、どう並べ、いつ入れ替えるか」の設計は、当社が引き受けている領域です。FACTORがこれを決めるとき見ているのは自店の管理画面だけではありません。同一商圏の競合が同じ時期に何を出しているか、その後に並びがどう動いたかを複数店ぶん揃えて逆算しています。この時系列の比較は自店の側から取得できないため、社内では材料が揃わない部分です。

やってはいけないこと

内製で回している現場で、良かれと思って踏んでしまう地雷があります。損失に直結するので挙げておきます。

いずれも、発覚したときに失うものが、それで得られる一時的な露出を大きく上回ります。

続いている会社と止まる会社の差はどこにあるのか

内製で続いている会社もあります。ただし、その差は担当者の質ではありません。

続いている会社に共通しているのは、判断の部分が担当者の手元から外れていることです。何を出すかが外から決まっていて、担当者は手を動かす工程だけを持っている。この形になると、終わりの合図が生まれ、やったかどうかが確認できるようになり、社内の他の仕事と同じ土俵に乗ります。逆に、判断ごと担当者に渡した体制は、担当者がどれだけ優秀でも材料が届かないので、同じ場所で止まります。

ここでよく起きる誤解を書いておくと、これは内製か外注かの二択ではありません。分けるべきなのは会社の内と外ではなく、判断の側と手の側です。外に出しても判断まで丸ごと預ければ自社の実態から離れますし、中に持っても判断の材料が届かなければ止まります。どこで線を引くかは、店舗の数、社内で動ける人の状況、そして商圏の競合の動きの速さによって変わるので、一律の形がありません。

体制を組み直すことを考えているなら、担当者や手順を決める前に、いま自店が外からどう見えているかを確認してください。判断の材料がどれだけ足りていないかが分かってから線を引くほうが、組み直しが一度で済みます。

よくある質問

MEOは社内でやるのと外に出すのと、どちらがよいですか?
内と外の二択で考えると、どちらを選んでも同じ場所で止まることがあります。分かれ目は会社の内か外かではなく、判断の部分と手を動かす部分のどちらを誰が持つかです。判断の材料は自店の管理画面に出てこないため、そこごと社内に置くと材料不足で止まります。どこで線を引くかは店舗の数や社内の状況、商圏の競合の動きの速さで変わるので、自社の場合は現状の見え方と並びを確認しないと決まりません。
担当者を決めて手順書も作ったのに、更新が止まってしまいます。
人や手順の問題ではない場合が多くなります。この作業は、やらなかったことの結果がやらなかったこととして返ってこないため、締め切りのある仕事に押し出されます。さらに終わりの合図がないので、止まったことに社内の誰も気づけません。手順書を厚くしても、終わりが定義できなければ同じ結果になります。自社の体制のどこで止まっているかは、作業記録ではなく外から見た状態と合わせて確認しないと判断できません。
更新を続けているのに変化が出ないのはなぜですか?
手が動いていることと、並びの中での位置が動くことは別です。結果を左右するのは何を選び、どう並べ、いつ入れ替えるかの判断で、その材料は同じ商圏の他店の出方の側にあります。自店の管理画面には自店の数字しか出ないため、判断を避けられる作業だけが繰り返されている状態になりがちです。いま自店が並びの中でどのあたりにいるかは、外から確認しないと分かりません。

まとめ

社内でMEOを回す体制が止まるのは、担当者の意識や能力の問題ではありません。この作業は、やらなかったことの結果がやらなかったこととして返ってこないため、締め切りのある仕事に押し出されます。しかも終わりの合図がないので、止まったことに誰も気づけません。加えて、作業に見える工程の中に判断が埋まっていて、その判断の材料は自店の管理画面ではなく同じ商圏の他店の側にあります。材料が届かないまま判断を任された担当者は、判断を避けられる作業だけを繰り返すようになり、手は動いているのに位置が動かない状態になります。分けるべきなのは内か外かではなく、判断の側と手の側です。どこで線を引くかは一律に決まらないので、体制を組み直す前に、いま自店が外からどう見えているかを確認してください。

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F FACTOR編集部

MEO・LLMO・Web集客の支援実績 約50業界・100社超。AI×人の運用で「検索とAIに選ばれる」店舗づくりを支援しています。運営: FACTOR株式会社(東京都豊島区)