去年と同じことをしているのに、問い合わせの数だけが静かに減っている。そんな感覚はないでしょうか。広告を止めたわけでも、紹介が途絶えたわけでもない。それでも月の反響を数えると、去年の同じ月を下回っている。リフォーム会社でよく聞く話です。そして原因を探そうとしても、社内の記録には手がかりが出てきません。この業種では、失注が「失注」の形で残らないからです。何が起きているのかを、この業種の検索のされ方から見ていきます。
リフォームは「探される前」に候補が決まっていることがある
リフォームの依頼は、思い立った当日に発注されることがほとんどありません。水まわりの不調を感じてから実際に工事を頼むまでに、何ヶ月も空くことが珍しくない業種です。その間、施主は調べ続けています。
この長さが効いてきます。検討が長いということは、一社が候補に入るかどうかの勝負が、問い合わせよりずっと手前で終わっているということです。見積もり依頼が来た時点では、比較する相手はすでに絞られています。相見積もりで負けたと感じている案件の多くは、実際には比較の前に候補から外れています。
厄介なのは、この段階で何を見られているかが一定でないことです。施主が最初に不安に思うことは、工事の内容によって変わります。水まわりの交換と、間取りを動かす改修と、外装の塗り替えでは、施主が最初に確かめたがる事柄がまるで違う。同じ「リフォーム」でも、入り口が変われば求められている情報が入れ替わります。
つまり、自社の情報が足りているかどうかは、自社だけを眺めても決まりません。どの入り口から来た施主に対して薄いのかという相対の話になります。
同じ会社なのに、依頼の入り口ごとに別の会社に見えている
リフォーム会社は、たいてい複数の工事を扱っています。ところが施主の側は、自分の困りごとしか見ていません。トイレの交換を考えている人にとって、その会社が外装もやっていることは判断の材料になりません。
ここで、多くの会社が扱いに迷う分岐が出ます。幅広く扱えることを打ち出すのか、特定の工事に寄せて見せるのか。この二つは、どちらかが正解というものではなく、打ち手が正反対を向きます。幅を出せば、どの入り口からも「一応該当する会社」として認識されますが、その工事の専門として選ばれる強さは弱まります。寄せれば強くなりますが、寄せた側から外れた依頼は来なくなります。
どちらに振るかを決める材料は、自社の得意分野ではありません。同じ商圏に、どちらの型の会社が何社並んでいるかです。幅で出している会社ばかりの地域と、工事ごとに専門を名乗る会社が揃っている地域では、同じ打ち出しがまったく違う結果になります。この並びは自社の管理画面にも、過去の受注記録にも出てきません。
さらに、リフォームは地域の会社が選ばれやすい業種です。施主は工事中も工事後も、その会社が近くにあることを前提に考えています。ところが「近い」の感覚は、施主が住んでいる場所と、扱う工事の規模によって伸び縮みします。小さな修繕なら近所から選び、規模の大きな改修なら遠方も候補に入れる。同じ会社が、工事の種類によって商圏の広さが変わる状態で見られています。
反響が細る動きが記録に残らない理由
ここが冒頭の話に戻る部分です。
リフォームの検討は長く、静かに進みます。候補から外れた施主は、連絡をくれません。問い合わせフォームに入力して離脱するのではなく、そもそも入力画面まで来ないので、社内には何の記録も残らない。失注が失注として数えられないまま、翌月の反響数だけが少し減るという形で表に出ます。
広告を出している会社でも同じです。広告の数字は、クリックされたところまでは見えます。しかしクリックした人が他社と並べて比較し、そこで候補から落ちたことは、広告の管理画面には出てきません。数字が悪いのか、その先が悪いのかが切り分けられないまま、出稿額を上げ下げすることになります。
放置したときに失われるのは、ひとつの案件ではありません。細り続けていることに気づくまでの数ヶ月ぶんの検討中の施主が、まるごと他社に流れます。しかも検討期間が長い業種なので、気づいて手を打っても、その効果が反響として返ってくるまでにまた数ヶ月かかります。遅れが二重になる構造です。
自社がいまどの入り口で見つかっていて、どこで候補から落ちているのかは、社内の記録からは復元できません。外から見たときに自社がどう表示されているかを一度確認すると、細っている原因が見え方の側にあるのか、その手前にあるのかの見当がつきます。GoogleマップのURLを入力すれば、要点はその場で表示されます。
やってはいけないこと
この業種は、表示や広告の規制が他業種より重なっています。踏むと損失が直接返ってくる部分なので、はっきり書いておきます。
- 工事金額を「一式いくら」で見せ、実際には別途費用が乗る形にすること:実際より著しく有利だと誤認させる表示は、景品表示法の有利誤認にあたるおそれがあります
- 期間限定・今だけの割引を、実際には常時行っていること:二重価格表示として問題になります
- 建設業許可が必要な規模の工事を、許可なく請け負うこと:許可番号を持つ場合の表示の扱いも含め、建設業法の規定があります
- 訪問販売で契約した施主に、クーリング・オフの書面を渡さないこと:特定商取引法の規定で、書面不備の場合は期間が起算されません
- 施工事例として、自社が手がけていない写真を掲載すること:素材集の画像を事例として見せる場合も同様です
- 施主に金銭や値引きと引き換えに口コミを依頼すること:Googleのポリシー違反であり、投稿の削除やプロフィールの制限につながります
いずれも、発覚したときの損失が、それで得られる反響の増加を大きく上回ります。
なぜ自社の立ち位置は社内から見えないのか
ここまでの話をまとめると、リフォーム会社の集客で判断が要る場面は、ほぼすべて相対で決まっています。幅で見せるか寄せるか。どの入り口を厚くするか。商圏をどこまで見るか。どれも、自社の中を調べても答えが出ません。
そして比較の材料は、探しにくい場所にあります。同じ商圏の同業が、どの工事を前に出していて、どんな見せ方で並んでいるか。施主が実際に検索したときに、自社が何番目に、どんな顔で表示されているか。これらは自社の管理画面にも、受注記録にも、広告のレポートにも出てきません。検索する人の場所や、調べている工事の種類によって並びが変わるので、社内の誰か一人が自分のスマートフォンで検索しても、施主が見ている画面とは違うものが映ります。
つまり、判断が難しいのは経営の問題ではなく、材料が社外にあるという構造の問題です。
※どの入り口を厚くするか、どこまで商圏を広げて見せるかの設計は、当社が引き受けている領域です。FACTORがこれを決めるとき見ているのは自社の情報だけではありません。同じ商圏の同業が何を前に出しているか、その並びが工事の種類ごとにどう入れ替わるか、複数の地点から見たときに順序がどう変わるかまで揃えて逆算しています。この比較材料は自社側からは取得できないため、社内では組み立てにくい部分です。
反響の細りが気になっているなら、打ち手を決める前に、まず自社が外からどう見えているかを確認してください。見え方が分かってから手を入れるほうが、結果的に早く済みます。
よくある質問
リフォーム会社の集客は、広告と検索のどちらを優先すべきですか?
扱える工事を幅広く出すのと、特定の工事に絞るのはどちらがよいですか?
問い合わせが減っている原因を、社内のデータから特定できますか?
まとめ
リフォームは検討が長く、候補に入るかどうかの勝負が問い合わせよりずっと手前で終わっています。しかも候補から外れた施主は連絡をくれないので、失注が失注の形で社内に残らず、翌月の反響数が少し減るという形でしか表に出ません。気づくまでの数ヶ月ぶんの検討中の施主が、そのまま他社に流れていきます。幅で見せるか工事に寄せるか、商圏をどこまで見るか。判断が要る場面はどれも相対で決まりますが、その比較材料は自社の管理画面にも受注記録にも広告のレポートにも出てきません。判断が難しいのは経営の問題ではなく、材料が社外にあるという構造の問題です。打ち手を決める前に、まず自社が外からどう見えているかを確認してください。
NEXT ACTION
この記事の内容、貴店の場合はどうなっているか気になりませんか?
記事で挙げた観点が自店に当てはまるかは、実際の状態を見ないと判断できません。まず現状の把握から。
- ✓AI無料診断 — GoogleマップのURLを貼るだけ。改善点の要点がその場で表示されます
- ✓30分無料相談 — GBPと競合の状況を一緒に確認(売り込みなし)
- ✓1エリア1業種限定 — 貴店の競合とは契約しません(先着順)