「うちは公式の情報をきちんと載せているから、AIも正しく答えてくれるはず」。そう考えている店は少なくありません。ところがAIに自店のことを尋ねてみると、公式サイトに書いてある言葉とは違う表現で説明されることがあります。しかも、その説明のもとになっているのは、口コミの感想であることが少なくありません。この記事では、AIが店について答えるとき、口コミの感想と公式情報がどのように混ざり合うのかを整理し、なぜ自店の画面からはその混ざり方が見えないのかを説明します。
公式情報を整えれば、AIはそのとおりに答えるのか
多くの店が最初に思い浮かべるのは、「公式サイトやGoogleビジネスプロフィールを正しく書けば、AIはそれを答えの土台にする」という図式です。方向としては間違っていません。公式の情報が土台の一部として参照される場面は、実際にあるとされています。
ただ、「そのとおりに答える」とまでは言えません。AIは複数の情報源を読み合わせて文章をつくります。公式に書かれている営業時間や住所のような事実は拾われやすい一方で、「どんな雰囲気の店か」「どういう人に向いているか」のような、評価や印象にかかわる部分は、公式の言葉だけで決まりません。
店について尋ねる人が知りたいのは、むしろこちらです。事実の確認は検索結果の画面でも済みますが、「結局どうなのか」という問いに答えるのがAIの役目だからです。
公式情報は「店が自分について言っていること」、口コミは「客が店について言っていること」です。AIが答えるとき、その二つは別々に扱われるのではなく、一つの文章の中で混ざります。
口コミの感想は、AIの答えのどこに入り込むのか
AIが店を説明するとき、「静かで落ち着いて過ごせる」「待ち時間が長めという声がある」のような表現が出てくることがあります。こうした言い回しは、公式サイトのキャッチコピーにはまず書かれません。客の側の言葉が、そのまま説明に混ざっている形です。
口コミが入り込みやすいのは、店の外からしか分からない部分です。実際に行ったときの印象、期待との差、混み具合の体感。これらは店が自分で宣言できることではなく、客が書くことで初めて文章になります。AIにとっても、判断材料になるのはそちらです。
どの口コミがどの程度拾われるのかは、公開されていません。複数の要素が絡むと言われていますが、確かな重みづけを外から知る方法はありません。
公式情報と口コミが食い違ったとき、何が起きるのか
ここからが、店にとって厄介なところです。公式には「ゆったり過ごせるカフェ」と書いてあるのに、口コミには「昼は混んで落ち着かない」と書かれている。このとき、AIの答えがどちらに寄るのかは、一律には決まりません。
起こりうることは、大きく二つに割れます。公式の言い方を採用して答える場合と、口コミ側の言い方を採用して答える場合です。さらに、両方をつなげて「ゆったりした雰囲気だが、昼は混むという声がある」のように、折衷した文章になる場合もあります。
どれになるかは、質問の聞き方や、そのとき参照された材料で変わります。同じ店について、昨日と今日で答えが違うことも珍しくありません。だからこそ、一回の答えを見て判断することはできません。
食い違いが小さな店では、さほど問題になりません。差が大きい店ほど、AIの答えが客の期待を外す原因になります。期待を外された客は、来店後に新しい口コミを書き、それがまた次の答えの材料になります。
質問が変わると、材料の比重はどう入れ替わるのか
「結局、口コミと公式のどちらが強いのか」と知りたくなる気持ちは自然です。ただ、この問いに一つの答えを出すのは難しいのが実情です。
理由は、優先のされ方が質問の種類によって逆転するからです。営業時間や定休日のような事実を尋ねられたときは、公式の情報が前に出やすい。一方で、「おすすめか」「子連れでも行きやすいか」のような評価を尋ねられたときは、口コミが前に出やすい。同じ店でも、聞かれ方で材料の比重が入れ替わります。
したがって、「公式を強くすればよい」「口コミを増やせばよい」のどちらか一方に振った理解は、片側だけを見ています。どの質問で、どちらの材料が使われているかを切り分けて見ない限り、打ち手の向きは決まりません。
※当社FACTORは、AI検索まわりの設計と口コミの運用を合わせて引き受けています。判断するときに見ているのは自店の情報だけではなく、同じ商圏の店が、複数の聞き方でどう答えられているか、その答えが時期を追ってどう入れ替わっているかです。これは自店の管理画面からは組み立てられない部分です。
自店の答えられ方は、なぜ店の中から確かめにくいのか
自分でAIに自店のことを尋ねれば、答えは見られます。けれども、それで分かるのは「その瞬間、その聞き方での一回分の答え」です。
お客さんは、店主とは違う聞き方をします。使うAIも、聞く場所も、言葉遣いも人によって異なります。しかも答えは毎回同じとは限りません。一回の確認では、自店が普段どう説明されているかの全体像にはなりません。
さらに、過去の答えは、店の側には記録として残りません。先月は公式寄りに答えていたのが、今月は口コミ寄りに変わったとしても、聞き方・時点・商圏をまたいで、店の答えられ方が並べて残る記録は、店の管理画面のどこにも一行もありません。担当者の見方が甘いのではなく、店の側には記録の取りようが最初から無い、という構造です。
自店の場合に、公式と口コミがどのくらいの割合で混ざって答えられているのかは、同じ商圏の店の答えられ方と並べて、複数の聞き方で確かめないと決まりません。入口として、無料のAI診断でGoogleマップのURLから自店の現状の要点を確認できます。AIの答えのどこが口コミ由来かまで突き合わせる判定は、個別の相談で扱っています。
食い違いを放置すると、何を取りこぼすのか
公式の言葉と口コミの言葉がずれたまま放置されると、AIを経由して店を知った人は、期待とは違う紹介文を読んだうえで来店するか、来店そのものをやめます。後者は、店には「来なかった客」として記録にも残りません。
来店して期待を外された人は、その感想を口コミに書きます。その口コミが、次にAIが店を説明するときの材料になります。ずれは放っておくと自然に解消されるのではなく、ずれが次のずれを呼ぶ形で積み上がるのが厄介な点です。
AIで店を探す人が増えているとされるなか、AIの答えが期待とずれている店では、毎日、予約や来店になりえた問い合わせが静かに他の店へ流れていきます。順位を上げることと並行して、答えられ方を整える。両方を同時に積むことで初めて、見つかったあとに選ばれる店になります。
よくある質問
AIは口コミと公式情報のどちらを優先して答えますか?
公式サイトを充実させれば、AIの答えは公式のとおりになりますか?
AIの答えが口コミ寄りで、公式の説明と違うのですが問題ですか?
まとめ
AIが店について答えるとき、公式情報と口コミの感想は一つの文章の中で混ざり合います。どちらが前に出るかは質問の種類で入れ替わり、同じ店でも日によって答えが変わります。食い違いを放置すると、期待を外された人の新しい口コミがさらにずれを重ねていきます。ところが、その混ざり方と過去の変化は、店の管理画面にも残らず、自店の画面を眺めているだけでは見えません。外から見たときの出方は店の中からは再現できないので、並べて突き合わせる部分は当社が引き受けているので、そちらに出してもらうほうが早いのが実情です。判定から設計まで、個別の相談で扱っています。
NEXT ACTION
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