予約システムを替えたら、新しいシステムの側で連携を済ませれば、Googleマップの「予約」ボタンも新しい予約ページに向き直る。そう考えて乗り換えを進める店は少なくありません。ところが乗り換えから何週間もたって、マップの予約ボタンを押すと前のシステムのページが開く、という状態に気づくことがあります。Googleの説明では、プロフィールに載る予約のリンクには、店が自分で追加したもののほかに、提供事業者が載せるもの、Google側の自動のデータにもとづいて表示されるものがあるとされています。店の側では一度きりの切り替えでも、Googleマップの上では、いくつもの出どころが別々の速さで入れ替わる出来事になります。何が残り、どこで客が抜けていくのかを、仕組みの側から追っていきます。
Googleマップの予約ボタンは、誰が載せているのか
Googleビジネスプロフィールのヘルプには、予約や注文に使うリンクの扱いがまとめられています。店はプロフィールに予約用のリンクを追加でき、Googleは予約サービスの提供事業者とも連携していて、そのリンクは提供事業者のサイトにつながる、という説明です。
見落とされやすいのは、提供事業者のリンクの出どころが一つではない点です。ヘルプには、提供事業者が提供・更新するリンクのほか、Googleの自動のデータにもとづいて自動で表示される場合があると書かれています。予約のリンクは種類ごとに複数載せられ、どれを上に出すかに店が関われる設定も用意されています。
つまり、マップの予約ボタンの先は、店が押さえている一本のスイッチで決まっているわけではありません。店が足したリンク、事業者が載せたリンク、Googleが自動で拾ったリンク。この重なりの結果として、客の画面に予約の入口が出ています。
乗り換えたあと、前の予約先はどんな形で残るのか
新しいシステムとの連携を済ませると、新しい予約先のリンクがプロフィールに加わることはあっても、それで前の予約先が置き換わるとはヘルプには書かれていません。前の事業者のリンクは、そのまま並び続けることがありうると読むのが自然です。店の側で打てる手もヘルプには示されていますが、それが効くかどうかは、残っているリンクの出どころ次第です。
ただし、それで片づくとは限りません。自動で表示されるリンクは、店でも事業者でもない側の判断で載っているからです。店の情報について、Googleはひとつの場所だけに頼らずに集めているという立場をとっています。自動のリンクがどの情報をもとに、いつ載るのかを、Googleは公表していません。
前のシステムを解約しても、予約ページがすぐに閉じるとは限りません。受付終了の表示に変わる場合もあれば、空き枠がそのまま表示され、誰も見ていない管理画面に予約だけが入る、ということも起こりえます。どちらになるかは、前の事業者の解約後の扱い次第です。
予約の入口が二つ並んだとき、客の側では何が起きるか
客の目に映るのは「予約」という一つのボタンと、その先に並ぶ予約先の選択肢です。どれが新しく、どれが古いのかを客が見分ける手がかりは、ほとんどありません。上に出すリンクに店が関われても、それ以外の並び方や、検索とマップで表示がどう違うかまでは、Googleは細かく公表していません。
前のシステムのページで「この日は満席」と出れば、客は空いていないと受け取って、同じ一覧に並ぶ近くの店の予約ボタンを押します。新しいシステムでは空いている枠だったとしても、店がそれを知る機会はありません。受付終了のページに行き着いた客も、多くは問い合わせ直すより先に、隣の店を探しにいくでしょう。
入口が二つあることで予約の数が割れて見えるだけなら、まだ損は小さいほうです。本当に抜けるのは、古い入口で行き止まり、そのまま別の店に流れた予約です。常連は電話でかけ直してくれても、マップで初めて店を見つけた客には、そこまでする理由がありません。乗り換えの時期に先に削られていくのは、初めての来店のほうだと考えられます。
残った入口は、下ろせば消えるものなのか
いま客の画面にどんな予約先が並んでいるかは、店の人がスマホで見ても分かります。分からないのは、その一本一本がどこから来たのかです。店が以前に足したものなのか、事業者が載せたものなのか、Googleが店の外のどこかの記載から拾ったものなのか。事業者が載せたものか、Googleが自動で拾ったものかまでは、画面の上では見分けきれない場合があるとみられます。
出どころが違えば、消え方も違うとみられます。事業者が載せたリンクは、店が削除を求めても、ヘルプの定めでは事業者が下ろすまで最大で5日の猶予があり、そのあいだも客は古い入口に流れえます。自動で表示されたリンクは、店の側で手を打ったあとに、しばらくしてまた現れることがあると考えられます。目の前のリンクがどちらの性質のものかは、一店の画面を何度見返しても判別できません。見分けには、予約先を入れ替えた店で、どの入口がいつ消え、どれが戻ってきたかという例が要ります。そうした例は、一度きりの乗り換えを経験する店の中には集まりません。
そのうえ、新しいシステムの管理画面に記録されるのは、新しいシステムに届いた予約だけです。ビジネスプロフィールのパフォーマンスの画面に並ぶのも、閲覧や操作の回数を店単位でまとめた値で、客が押した予約の入口が新旧のどちらだったかまでは切り分けて見せてくれないとみられます。この取りこぼしは放置するほど積み上がりますが、乗り換えた月に予約が減っても、季節や天気、新しいシステムへの慣れで説明がついてしまい、行き止まった客の分は数字の上で埋もれます。
それに、入口を一度片づけても、それで終わるとは限りません。自動で表示されるリンクは、月をまたいで顔ぶれが入れ替わることがあるとみられます。乗り換えのあとも、客の側にいまどの入口が見えているのかは、続けて追っていかないと分からないままです。
※当社FACTORが予約先の入れ替えに立ち会うときは、客の側にいま見えている予約の入口の顔ぶれを、支援先で予約先が替わったあとに入口が消えた例・また現れた例と突き合わせて、残っている一本一本の出どころの見当をつけ、同じ商圏の同業の予約導線とも並べて見たうえで、プロフィールのどこを組み直すかを決めています。
プロフィール全体の状態は、無料のAI診断でひととおり見渡せます。GoogleマップのURLを貼れば、気になる点がその場で示されます。一方、残っている予約の入口がそれぞれどこから載ったもので、どれが下ろしても戻ってきそうなのかは、見極めに入れ替わりの例との照合が欠かせません。そこは個別の相談で、見当がつくところまで一緒に詰めていきます。
よくある質問
新しい予約システムと連携すれば、前の予約リンクは自動で消えますか?
電話予約しか受けていない店にも、予約ボタンが出ることはありますか?
前の予約先のリンクを一度消せば、それで終わりますか?
まとめ
予約システムの乗り換えは、店の側では一度の切り替えでも、Googleマップの上では、店・提供事業者・Googleの自動のデータという複数の出どころにまたがる入れ替えです。前の予約先で行き止まった客は近くの店の予約ボタンを押し、その一件は新旧どちらのシステムの数字にも表れません。しかも残った入口が下ろせば済むものか、また戻ってくるものかは、店の画面からは読み取りきれないとみられます。その見当をつけられるのは、入れ替わりの例を重ねてきた側です。
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