ホームページを作ったとき、制作会社に「Search Consoleも設定しておきますね」と言われたまま、一度もログインしていない——心当たりはないでしょうか。管理画面を開いてみたものの、グラフと英語っぽい用語が並んでいて、そっと閉じた方も多いはずです。まず押さえておきたいのは、店舗オーナーが見るべき画面は3つに絞れるということ。ただし、絞れるのは「見る場所」までです。この記事では、その3画面が何を教えてくれるのかを整理したうえで、数字が読めることと、そこから打ち手を決められることの間にある落差——多くの店舗が画面を開いたまま止まる、本当の難所がどこにあるのかまで書きます。
Search Consoleとは:何がわかるツールか
Search Console(サーチコンソール)は、Googleが無料で提供する「自分のサイトがGoogle検索でどう扱われているか」を見るツールです。よく混同されるGoogleアナリティクス(GA4)との違いはシンプルで、GA4が「サイトに入ってきた後」の行動を見るのに対し、Search Consoleは「検索結果に表示されてから、クリックされるまで」を見ます。
店舗サイトにとって重要なのは圧倒的に後者です。「どんな検索語で自店のサイトが表示されているのか」「何回表示されて、何回クリックされたのか」は、Search Consoleでしか分かりません。
設定でつまずくポイントと、権限の落とし穴
登録の入口は search.google.com/search-console です。Googleアカウントがあれば始められますが、実際に手が止まりやすいのは次の2箇所です。
- プロパティの種類の選択——サイト全体をまとめて見るか、特定のURL配下だけを見るかで、後から集計できるデータの範囲が変わります。ここを取り違えると、数ヶ月後に「見たかった数字が入っていない」状態になります
- 所有権の確認方法——ファイルのアップロード、タグの設置、他のGoogleサービス経由など複数の方式があり、どれが使えるかはサイトの作り方と、サーバーやドメインの管理権限が誰の手元にあるかで決まります。自分では選べないケースも珍しくありません
制作会社に依頼したサイトなら、すでに設定済みのことも多いです。その場合に見落とされがちなのが権限の所在です。Search Consoleの権限を自分のGoogleアカウントでも持っているかを確認しておいてください。制作会社任せのままだと、解約や担当変更のタイミングで、過去の検索データごとアクセスを失う事故が起きます。しかも失われるのは画面へのアクセスだけではなく、比較の土台となる過去の推移そのものです。あとから登録し直しても、過去に遡ってデータが復活することはありません。
画面①検索パフォーマンス:どんな言葉で見つかっているか
左メニューの「検索パフォーマンス」が、最も重要な画面です。見るのは4つの数字だけ。
- 表示回数——検索結果に自サイトが出た回数
- クリック数——実際にクリックされた回数
- CTR——表示のうちクリックされた割合
- 平均掲載順位——検索結果での平均的な位置
画面下部の「クエリ」タブには、実際に検索された言葉が並びます。ここが宝の山です。たとえば「表示回数は多いのにクリックが少ない」クエリが見つかったら、そのページのタイトルや説明文が魅力に欠けるサイン。「思ってもみなかった言葉」で表示されていたら、その需要に応えるページを作るチャンスです。
ただし、この読み方には落とし穴があります。「表示は多いがクリックが少ない=タイトルが悪い」は、正しいときと、まったく的外れなときがあるからです。そのクエリが自店で応えられない需要(他エリアの検索、業務用の問い合わせ、そもそも別業種を探している言葉)を含んでいれば、クリックされないほうが正常です。ここでタイトルに地域名や煽り文句を足すと、来ない人を呼び込む方向に動き、来店につながらない流入だけが増えます。しかも増えた流入は数字上「改善した」ように見えるため、間違えたことに気づけません。数字が同じでも、意味が正反対になる——この見分けは、クエリの並びを眺めているだけでは付きません。その語で実際に検索したときに誰が上位に並んでいるか、その顔ぶれが自店と同じ客を取り合っているのかまで確かめて、初めて判断材料になります。見るべき場所を知らないと、そもそも「確かめる必要がある」ことにすら気づけない種類の落とし穴です。
クエリ一覧を眺めるときに効くのは、順位そのものより「すでに評価されかけている語がどれか」という視点です。上位に届いていないが表示は取れている——その帯にいる語は、ゼロから新しいページを作るより手前にある改善余地です。ただし、その帯にある語のうちどれに手を入れるべきかは、検索需要の大きさ、競合の顔ぶれ、そのページが自店の売りと噛み合っているかで変わります。順位が近いというだけで選ぶと、伸ばしても来店につながらない語に時間を使うことになります。
画面②インデックス登録:Googleに載っているか
「インデックス作成」→「ページ」の画面では、サイト内のページがGoogleのデータベースに登録(インデックス)されているかが分かります。ここで見るのは、登録されていないページが想定外に多くないか、そしてエラーが出ていないかの2点です。
「クロール済み - インデックス未登録」などの表示は、必ずしも異常ではありません。ただ、メニューページやアクセスページのような重要ページが未登録なら問題です。原因はさまざまですが、まずは後述のURL検査から登録をリクエストしてみてください。
ここで判断が要るのは、「未登録が異常なのか、正常なのか」の線引きです。この画面は理由の分類までは出しますが、そのページが自店にとって登録されるべきページなのかは判定しません。未登録の一覧を見た多くの店舗が「全部登録されているのが正しい状態だ」と考えて片っ端からリクエストを出しますが、内容の薄いページや、他ページと中身がほとんど重なるページを押し込むと、サイト全体としての評価がむしろ散らかります。逆に、放っておいて構わない未登録に混ざって、本当に効いていたはずの1ページが静かに落ちていることもあります。並んでいる件数はどちらの場合も同じように見えるため、一覧の数字を眺めるだけでは区別がつきません。仕分けの基準は、そのページが狙う語と役割を持っているかどうかであって、Search Consoleの中には書かれていない情報です。当社では、この仕分けを「登録されているか」ではなく「そのページに担わせている検索語があるか」から逆算して決めています。
画面③URL検査:新しいページを早く載せる
画面上部の検索窓にページのURLを貼ると、そのページのGoogleでの状態が確認できます。使いどころは、新しいページを公開した直後です。「インデックス登録をリクエスト」を押すと、Googleの巡回を待つより早く登録される場合があります。新メニューの案内ページや季節キャンペーンのページなど、鮮度が命の情報を出したときに使ってください。
誤解されやすいのですが、この操作は登録を早める可能性を作るだけで、登録されること自体を決めるものではありません。押しても載らないページは載りませんし、載ったからといって検索結果の上のほうに出るかどうかは、また別の話です。そして本当に効いてくるのは、この操作を覚えることではなく、その手前の「どのページを、いつ出すか」を決められるかどうかのほうです。季節メニューの案内を出す時期、キャンペーンページを何日前に公開しておくか、既存のページを直すのと新しく1本作るのとどちらが早いか——ここを間違えると、正しい手順でリクエストしても、需要のピークを過ぎてから検索に載る、という結果になります。しかもその失敗は「載ったのに問い合わせが来なかった」という形でしか表面化しないので、原因がタイミングにあったことに気づけません。
毎月のチェックで見る論点と、その先の難所
店舗サイトなら、毎日見る必要はありません。定期的に見るときに押さえる論点は次の3つです。
- クリック数の増減——前の期間と比べてどう動いたか。ただし比較する期間の取り方で結論が変わるため、どの幅で見るかを固定しておかないと毎月の話が噛み合わなくなります
- クエリの顔ぶれの変化——想定していなかった言葉、伸びている言葉、消えた言葉。どこまでの範囲を読むかは、サイトの規模と扱う商材の幅によって変えます
- インデックスのエラーの増減——数が増えているなら、サイト側で何かが起きているサインです
そして実際にやってみると、この観察を「打ち手に変換する」部分が一番難しいと感じるはずです。表示回数が落ちたクエリがひとつあったとして、季節要因なのか、競合が動いたのか、Googleのアップデートなのか、自分のページが相対的に劣化したのか——見分ける材料は、この画面の中には出てきません。原因を取り違えたまま直せば、数字はさらに悪化します。しかもこの読み解きは、数ヶ月分の推移が溜まってはじめて意味を持つ作業でもあり、途中で見るのをやめると比較の土台ごと失われます。なお、検索側の数字だけを見ていても、店舗集客では判断がつかない場面が多くあります。マップ経由の流入は別の仕組みで動いているため、いま自店の集客がどちら側で詰まっているのかは、両方の現状を並べないと分かりません。マップ側の状態が手元にないなら、無料のAI診断で押さえたうえで見比べてください。※当社FACTORは、MEO運用と合わせて、この検索データの読み解きから狙うキーワードの見直し、月次での打ち手の入れ替えまでを設計から運用ごと引き受けています。
よくある質問
Search Consoleは無料ですか?
Googleアナリティクス(GA4)とは何が違いますか?
毎日チェックする必要はありますか?
まとめ
Search Consoleは、全機能を覚えるツールではなく、「検索パフォーマンス」「インデックスのページ」「URL検査」の3画面から始めれば店舗運営の判断には足ります。どんな言葉で見つかっているかを定期的に眺め、エラーがないかを確認し、新しいページを出したら登録をリクエストする。Googleが公開しているツールで、検索側の実態がここまで分かるものは他にありません。ただし「数字が読めること」と「打ち手を決められること」は別の能力です。見た数字を毎月の施策に変換し、効かなかった打ち手を入れ替え続けられるかどうかが、1年後の差になります。
NEXT ACTION
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