マップの順位が下がると、多くの方が真っ先に「ペナルティを受けたのでは」と考えます。ですが実際の運用でこの原因に行き着くことは少なく、下落の裏にあるのはたいてい、自店の側で何かが動いたか、周りの積み上げに抜かれたかのどちらかです。前者と後者では打ち手が逆を向くので、ここを飛ばすと、直す必要のないものを直し続けることになります。この記事では、順位下落の相談で確かめることの多い切り分けの観点を、どこで結果が分かれるかという形で整理します。そのうえで、原因が分かってから何をどう直すかは店ごとに変わる、という前提で読んでください。
下がったように見えるとき、何が起きているのか
まず前提として、ローカル検索の並びは見る場所や見る人の状態によって変わります。条件が揃っていない二つの数字を比べれば、結論はそのまま反転します。そのうえで本当に位置が落ちているとき、裏にあるのは正反対の二つの動きです。自店の側で何かが動いたのか、自店は変わっていないのに周りが動いたのか。前者なら動いたものを特定して手を入れる話になり、後者なら積み上げ直して取り返す話になるので、打ち手が逆を向きます。
厄介なのは、自店の側の動きが、自分で触った変更とは限らないことです。意外と知られていませんが、Googleビジネスプロフィールの情報はオーナー以外からの編集提案やGoogle側の自動処理でも書き換わります。しかも元に戻すべき書き換わりと、実態のほうが動いていて戻すこと自体が誤りになる書き換わりがあり、直す先がプロフィールの中にあるとも限りません。自分で触った変更でも、規約の線をまたぐもの——店名欄へのキーワード追加がその代表で、「◯◯サロン 池袋 小顔矯正」のような追記はガイドライン違反にあたります——と、規約上は何の問題もないのに評価の軸ごと動いてしまうものとでは、扱いがまるで違います。ほかにも判断の要る線はありますが、どの線に当たるかは扱う商材と業種の規制で変わります。後者は影響が出るまでに時間差があり、動きが落ち着く前に元へ戻すと、何が原因だったのかが永久に分からなくなります。
周りが動いた側も、見え方は単純ではありません。Googleは年に数回、検索アルゴリズムの大きな更新を行っており、その時期は広い範囲で並びが動きます。広範囲の変動と自店固有の後退が同じ時期に重なると、後者が前者に紛れて見えなくなります。波に乗って一時的に動いただけなのか、波に紛れて実際に抜かれたのかは、同じ商圏の他店が同じ波の中でどう動いたかを並べないと判別がつきません。そして判別を保留している間も、相手側の積み上げは止まりません。
なぜ店の中の記録では判別できないのか
どちらの動きなのかを決める材料は、ほぼすべて自店の外にあります。プロフィールは変わったあとの姿しか表示しません。いつ何がどう入れ替わったのかは自店側に残らず、「何かが変わった気がする」では原因にたどり着けないまま数ヶ月が過ぎます。抜かれたかどうかも同じで、隣に並んでいた店が同じ時期にどう動いたかは、過去に遡って自店の管理画面から取り出せる種類のデータではありません。下がる前に周りがどう並んでいたかは、自店側に一行も残っていないのです。担当者の手間や力量の問題ではなく、記録の取りようが最初から無い、という形の行き止まりです。
この状態のまま対策に走れば、原因ではないものを直して、本当の原因を温存することになります。逆に、本当に抜かれているのに一時的な揺れだと片づければ、動くべき時期をまるごと逃します。※当社FACTORは、この「意図しない書き換わり」の見張りと復元を、運用の中に組み込んで引き受けています。どこが原因かを切り分けるとき見ているのは自店のプロフィールだけではなく、同じ商圏の競合が同じ時期にどう動いたか、複数の地点から見たときに順序がどう入れ替わるかです。この比較材料は自店の管理画面には一行も残らないため、店の中からは最初から組み立てようがありません。
ローカル検索の並びが何で決まるかをGoogleは全量公開しておらず、回復の時期を事前に確定できる仕組みは、公開情報の範囲では確認されていません。ただし、時期を確約できないことと、狙って位置を獲りにいけないことは別の話です。どのキーワードで、どういう設計で位置を取り戻しにいくかは、時期の確約とは関係なく設計できます。
復旧で手を付ける対象と、順番が決まらない理由
原因が特定できたら、それを直すのが最優先です。難しいのは特定しきれないときで、立ち返る先は一つではなく、しかも互いに逆を向くことがあります。
問題はどれから手を付けるかに一律の正解がないことです。取り違えた先にどれだけ手を入れても、位置は戻りません。しかも復旧の局面では、下がったこと自体が焦りを生み、思いつく先を一度に動かしてしまいがちです。同時に動かすと、戻ったときに何が効いたのかが分からなくなり、次に同じことが起きたときにまた振り出しに戻ります。
順序を決めるために見るのは、下落の起きた時期と、上位に入れ替わった競合が何をしていたかの突き合わせです。自店の現状と競合の並びがどうなっているかは、外から並べてみないと決められません。
順位の下落は不安になりますが、裏を返せば競合の多くも同じ変動の中にいます。変動のたびに位置を上げていくのは、切り分けの材料を店の外に持っている側です。
切り分けを後回しにすると、戻しにくくなる
順位の変動には、放っておけば戻るものと、放置するほど戻しにくくなるものが混ざっています。前者と後者を取り違えたまま時間が過ぎると、その間ずっと競合との差が開き続けます。
特に後者——周りの運用強化が原因のケースでは、待っている期間がそのまま不利に働きます。相手は積み上げを続けているので、こちらが止まっている月数ぶん、位置を取り戻すために必要な量が増えていきます。
そしてこの期間に目減りするのは、並びの中の位置だけではありません。マップを見て行き先を決めようとしていた人は、その場で上に並んでいる店に流れます。放置した月数ぶん、来ようとしていた客が他店に吸われ続け、しかも取りこぼした分は自店の数字のどこにも記録されません。売上が痩せていることに気づくのは、いつも実際より後になります。
自店の変動がどちらの型で、何から手を付けると動くのかは、今の状態と競合の並びを見ないと決められません。GoogleマップのURLを貼ると要点がその場で表示される無料のAI診断で、いまの見え方は外から押さえられます。
よくある質問
順位が下がったのはペナルティを受けたからでしょうか?
順位はどのくらいの期間で戻りますか?
自分のスマホで見た順位は、信用していいですか?
まとめ
マップ順位の下落は、自店の側で何かが動いたのか、それとも周りに抜かれたのか——この二つで打ち手が逆を向きます。厄介なのは、どちらに当たっているかの判定が、自店のプロフィールや手元の数字を何か月ぶん並べ直しても出てこないことです。下がる前の並びも、同じ時期に周りがどう動いたかも、自店側には記録として残らないからです。原因の特定と、打ち手の設計は別の仕事で、前者でつまずいたまま後者に進んだ店ほど遠回りになります。外から見たときの出方は、店の中からは再現できません。そこだけは持っている側に出してもらうほうが早いので、まず現状を外から見てもらうところから始めてください。
NEXT ACTION
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