予約時間を過ぎても来ないお客様に電話をかけたら、「マップの通りに来たのに、着いたのは駐車場の裏でした」。あるいは自店を検索したら、閉店したはずの旧店舗名が並んで表示されている——。ピン位置ずれと重複リスティングは、地味なのに来店機会を直接削る不具合です。しかも店側は自分で検索しないので気づくのが遅れる。この記事では、どちらも自力で直せる手順に落として解説します。作業時間はいずれも初回30分ほど、反映待ちが数日〜数週間というのが目安です。
まず確認|自店がどの状態か切り分ける
対処法が違うので、最初に切り分けます。スマホのシークレットモードで自店名を検索し、次の3つのどれに当てはまるか見てください。
| 症状 | 状態 | 対処 |
|---|---|---|
| ピンが建物からずれている/裏手や隣のビルを指す | 位置情報のずれ | ピン位置の修正申請 |
| 同じ店名が2件以上並ぶ | 重複リスティング | 重複の統合申請 |
| 旧店名・旧住所のまま残っている | 古い情報の残存 | 閉店処理または統合 |
ここで大事なのは、自分のスマホの通常ブラウザで見ないことです。ログイン状態や過去の閲覧履歴で表示が変わるため、実際のお客様が見る画面とずれます。シークレットモード、できれば店から離れた場所で確認してください。
経路リクエストの数が急に落ちた月があれば、ピン位置ずれを疑う価値があります。「順位は変わっていないのに来店が減った」ときの見落としがちな原因のひとつです。
ピン位置ずれの直し方
オーナー確認が済んでいる場合、修正はGoogleビジネスプロフィールの管理画面から行えます。
- ビジネスプロフィールの管理画面を開き、「ビジネス情報」→「所在地」を選ぶ
- 住所欄の下にある地図で、マーカーをドラッグして正しい入口の位置に合わせる
- ここで置くのは「建物の中心」ではなく「お客様が入る入口」。駐車場から入る店舗なら、駐車場の入口寄りが実用的です
- 保存して申請。審査は通常数日、状況により数週間かかることがあります
住所表記そのものが原因のケース
ピンだけを直しても再びずれる場合、住所の書き方に原因があることがあります。よくあるのは次の3つです。
- 建物名・階数が抜けている:同じ番地に複数のテナントがあると特定できません
- 丁目・番地がハイフンで略されている:「1-7-5」ではなく「1丁目7-5」の形で登録する
- 旧住所のまま:住居表示の変更後に更新していないケース
住所を正しく整えたうえでピンを合わせると、安定しやすくなります。なおサイトやポータルサイト側の住所表記が古いままだと、そちらの情報に引きずられることもあるため、NAP(名称・住所・電話番号)の表記を全媒体で揃えるのが根本対策です。
重複リスティングの直し方
重複は「移転前の情報が残っている」「別のスタッフが新規作成してしまった」「Googleが自動生成したリスティングが残っている」あたりが典型的な原因です。
手順
- 残すほうを決める:口コミ件数が多い、オーナー確認済み、情報が新しい——この順で優先します。口コミは統合で引き継がれる場合もありますが、確実ではありません。件数の多いほうを本体にするのが安全です
- 重複側のリスティングを開く:マップ上で該当の店舗を開き、「情報の修正を提案」を選ぶ
- 「閉業または移転済み」→「重複」を選択し、正しいリスティングを指定します
- オーナー確認済みの重複が自分の管理下にある場合は、管理画面のサポートから統合を依頼します
- 反映を待つ。数日で消えることもあれば、数週間かかることもあります
重複を消したいからといって、残したいほうのリスティングを削除する、あるいは重複側に「閉業」を付けてから店名を変える、といった操作は避けてください。誤って本体側が閉業扱いになると、復旧の手間は比較になりません。作業前に、両方のリスティングのURLと口コミ件数をメモしておくことをおすすめします。
申請が通らないときの追加手
1回で通らないことは珍しくありません。次の順で追加の材料を用意します。
- 時間を置いて再申請:同じ内容を連投せず、2週間ほど空ける
- 裏付けになる情報を整える:公式サイトの所在地ページ、Googleストリートビュー上の外観、公的な登記情報など、住所の実在を示すものを揃える
- サイト側の表記を先に直す:申請時にGoogleが参照する情報が古いままだと通りにくくなります
- ビジネスプロフィールのサポートに問い合わせる:管理画面のヘルプから連絡できます。やり取りの記録を残しておくこと
この一連のやり取りは、正直なところ手間がかかります。申請して待って、通らずにまた材料を揃えて——を営業しながら回すのは負担が大きい部分です。※当社FACTORでも、この種の申請対応を運用の一環でお引き受けしています。余談でした。自力でやる場合は、申請日と内容をスプレッドシートに残しておくと、再申請時に説明しやすくなります。
再発を防ぐ運用チェックリスト
直したあとに、また同じ状態に戻る店舗は少なくありません。次を習慣にしてください。
- □ 月1回、シークレットモードで自店名を検索して表示を確認する
- □ 移転・改装・店名変更のときは、GBPの更新を作業リストに入れておく
- □ 新しいスタッフに「勝手に新規登録しない」と共有する(重複の主因です)
- □ 公式サイト・予約サイト・SNSの住所表記を同じ形に揃える
- □ 閉店した旧店舗は「閉業」処理を必ず行う(放置すると検索結果に残り続けます)
- □ オーナー権限を複数人で保持する(担当者退職時の権限喪失を防ぐ)
特に最後の2つは、後になってから効いてきます。旧店舗の閉業処理を忘れたまま数年経ち、口コミが旧店舗側に付き続けていた——という事例は現場で実際に見かけます。
よくある質問
ピン位置の修正を申請してから、反映まではどのくらいかかりますか?
重複したリスティングを統合すると、口コミはどうなりますか?
オーナー確認をしていない店舗でもピン位置は直せますか?
同じ建物に複数のテナントがあり、ピンがずれやすいのですが対策はありますか?
まとめ
ピン位置ずれと重複リスティングは、順位の話題に隠れて見落とされがちですが、来店機会に直結する不具合です。対処はシンプルで、まずシークレットモードで自店を検索して状態を切り分ける。ピンは入口に合わせ、住所表記を全媒体で揃える。重複は口コミの多いほうを本体として統合申請する。反映には時間がかかるので、気づいた時点で着手するのが結局は早道です。そして直したあとは、月1回の目視確認を習慣にしてください。
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