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エリアページの内部リンク設計|
リンクは多いほど良いのか

公開日: 2026.09.03執筆: FACTOR編集部

「内部リンクは多いほど良い」——エリアページを作るときに、いまだに一番よく聞く前提です。フッターに全エリアへのリンクを並べ、各エリアページの下部にも他エリアへのリンクを敷き詰める。本数が増えればクローラが回りやすくなり、評価も行き渡る、という理屈です。ところが実際には、リンクを増やしたほうがエリアページ全体の見え方が悪くなる構成があります。内部リンクは量で効くものではなく、どのページからどのページへ、どんな言葉で繋がっているかという構造で意味が変わるためです。この記事では、店舗サイトのエリアページをリンク構造の側から見ていきます。

「多いほど良い」という前提はどこで崩れるか

内部リンクは、サイト内でどのページが重要かを示す信号のひとつとして扱われます。この理解自体は間違っていません。崩れるのは、そこから「では全ページから全ページへ張ればよい」と進んだ瞬間です。

すべてのページが等しく繋がった状態は、裏を返せばどのページも特別ではない状態です。重要度の差を伝えるための仕組みで、差をなくしている。エリアページを二十枚作って全部を相互に繋いだサイトと、主要な数枚に導線を集めたサイトでは、同じ枚数・同じ本文量でも、サイトが何を主張しているかが別物になります。

もうひとつ崩れる点があります。リンクの本数が増えるほど、1本あたりが運ぶ情報は薄まります。ページ下部に並んだ数十本のリンクは、機械から見ても人から見ても「定型のリスト」です。定型のリストが全ページに同じ形で並べば、それはそのページ固有の情報ではなくなります。

POINT

本数の上限に一律の正解はありません。適正な本数は、サイトの規模、エリアページを何のために置いているか、そのサイトでどのページに問い合わせを集めたいかで変わります。本数を数えた時点で、問いの立て方そのものがずれていることが少なくありません。

クローラはサイト内をどう辿っているのか

検索エンジンのクローラは、既知のページからリンクを辿って新しいURLを見つけます。XMLサイトマップも発見の手がかりになりますが、サイトマップに載っていることと、そのページが重要だと伝わることは別の話です。サイトマップは所在地の一覧であって、重み付けの表明ではありません。

ここで効いてくるのが、トップページからの距離です。トップから何回のクリックで辿り着けるかは、そのページがサイト内でどれくらい主要な位置にあるかの目安になります。ただし「何階層以内に収めるべきか」に一律の答えはありません。数十ページのサイトと数千ページのサイトでは、同じ階層数の意味がまったく変わるからです。

また、ページ数の多いサイトでは、大量の中身の薄いURLが存在するとクロールの割り当てがそちらに食われ、更新した主要ページの再訪が遅れることがあるとされています。小さな店舗サイトでも、新しいページがどこからどう辿られているかで、見つかるまでの経路は変わります。

アンカーテキストは何を伝えているのか

内部リンクは「線」ではなく「線+ラベル」です。リンクに使われている文字列、つまりアンカーテキストが、リンク先ページの内容を説明する役割を担います。

「詳しくはこちら」で全リンクを揃えたサイトでは、このラベルが機能していません。逆に、狙っているキーワードをそのまま全リンクに機械的に反復させると、今度は文章として不自然になり、意図的な操作と受け取られる側に寄ります。どちらの端にも失敗があり、その間のどこに置くかが設計の実体です。

エリアページ特有の難しさもあります。「〇〇市店」「〇〇区店」と地名を差し替えただけのアンカーが数十本並ぶと、文字列としては全部似ています。似ているラベルが等間隔に並ぶ構造は、ページごとの違いを説明していないのと同じです。地名以外に何を含めるか、含めた結果として本文の自然さをどこまで保つか——ここは書き手によって判断が分かれ、サイト全体では揺れが出やすい部分です。

注意

リンク周りには、量や書き方の巧拙とは別に、踏むと戻せない線があります。代表的なのは、金銭などと引き換えにリンクを売買することと、利用者に見えない形でリンクを埋め込むことで、いずれもGoogleのスパムに関するポリシーで対象とされています。自社サイト内のリンクであっても、見えない形で大量に埋め込めば同じ線を踏みます。ほかにも判断の要る線があり、どこからが線を越えるかはサイトの構成とリンクの置き方で変わります。

パンくず・グローバルナビ・本文内リンクは同じ扱いか

同じ「内部リンク」と呼ばれていても、置かれる場所によって果たしている役割が違います。まとめて本数として数えると、この差が見えなくなります。

置き場所サイト内で起きていることどこで判断が割れるか
グローバルナビ・フッター全ページに同じリンクが載る。ページごとの差は生まれないどのエリアを常時表示に載せるか。載せた時点で全ページ共通の導線になり、載せなかったエリアとの差が構造として固定される
パンくずそのページが階層のどこにいるかを示し、上位カテゴリへ導線が集まるエリアをサービスの下に置くか、エリアを上位に置いてサービスを下に置くか。同じページ群でも親子関係が反転し、評価の集まり方が変わる
本文内リンク前後の文章が文脈を補うため、ラベル以上の情報が伝わるどの記事からどこへ送るか。書き手ごとに基準が異なるため、サイト全体で見たときの偏りは個々の記事を見ていても気づけない

右の列に答えを置いていないのは、置けないからです。エリアを上位に置く構成が有利になるサイトもあれば、サービスを上位に置いたほうが筋の通るサイトもあります。分岐するのは、来訪者が地名から探しているのか、サービス名から探しているのか。そしてその比率は商圏と業種で反転します。

エリアページ同士を相互リンクで繋ぐと何が起きるか

エリアページを作った次に、ほぼ必ず出てくるのが「他のエリアページへのリンクも並べておこう」という発想です。ここで全エリアを総当たりで繋ぐと、いくつかのことが同時に起きます。

まず、どのエリアページも受けるリンク本数がほぼ同数になり、サイトとして力を入れているエリアが構造から読み取れなくなります。次に、各ページの下部に同一のリンク群が複製されるため、ページ間の共通部分が増えます。エリアページはただでさえ本文が似通いやすく、そこに定型リンク群が加わると、固有部分の比率がさらに下がります。

そしてもっとも重い問題は、中身が薄いままリンク構造だけを整えても、薄いページ群が相互に紹介し合う状態にしかならないことです。リンクは評価を運ぶ経路であって、評価そのものを生み出しはしません。エリアページの量産そのものが抱えるリスクについてはエリアページの量産はなぜ危険かで扱っていますが、リンク構造の側から見ても、中身の薄さは繋ぎ方では埋まりません。

FACTORがこの構造を組むとき、見ているのは自社サイトの中だけではありません。同一商圏で上位に並んでいる競合サイトが、エリアをどの階層に置き、どのページへ導線を集めているか。そして他社の店舗サイトが同じ時期にエリアページをどう増減させたか。ここまで並べて、自社がどこに導線を寄せるかを決めています。この情報は自社の解析画面にも管理画面にも出てきません。だから社内で完結させようとすると、自サイトの中の理屈だけで階層を決めることになり、比較の軸を持たないまま構造が固まります。自社サイトでどのページに導線を集めるべきかは、いまの構造と周辺の並びを見ないと決められません。サイトの外側、つまりGoogleマップ上で自店がどう見えているかの要点は、無料のクイック診断でGoogleマップのURLを貼ると、その場で表示されます。

孤立ページはなぜ生まれ、なぜ気づけないのか

孤立ページとは、サイト内のどのページからもリンクされていないページのことです。エリアページのように後から追加していく種類のページで、もっとも起きやすい事故です。

生まれ方は一つではありません。誰かがページを消したわけではなく、サイトの別の場所に手を入れた結果として、エリアページへ向かうリンクだけが静かに外れる。原因はページそのものではなく、そのページを指していた側にあるので、孤立したページをいくら眺めても理由は見えません。どれも「消したつもりはない」まま起きます。

厄介なのは、気づく機会がほとんどない点です。URLを直接開けばページは正常に表示されます。社内の誰かが確認するときも、ブックマークやURL直打ちで開くので異常に見えません。サイトマップに載っていれば検索結果に出ることもあり、完全に消えるわけでもない。正常に見えるのに、サイト内での位置づけだけが失われている——これが孤立ページの状態です。

放置した場合の損失は、静かに積み上がります。孤立したエリアページは、そのエリアで検索している人に届く機会をほぼ失ったまま公開され続けます。制作にかけた費用は回収されず、そのエリアから入るはずだった問い合わせを毎日ぶん取りこぼす。しかも数字の上では「ページは存在している」ので、原因の候補にすら挙がりません。気づくのは、たいてい別の理由でサイト全体を見直したときです。

孤立が起きているかどうか、そしてどのページが孤立しているかは、サイトの構造を一度全体として並べないと判別できません。ページ単位で眺めても、リンクされていないという事実はそのページ自身には表示されないからです。自社サイトで孤立が起きているかは、いまのリンク構造を外から辿り直さないと決められません。

よくある質問

エリアページ同士は、相互にリンクしたほうがよいのでしょうか?
相互リンクそのものが問題なのではなく、全エリアを総当たりで繋いだ結果、どのページも受けるリンク本数が同じになることが問題になります。サイトとして注力しているエリアが構造から読み取れなくなり、各ページ下部に同じリンク群が複製されるぶん、ページ固有の部分の比率も下がります。どの組み合わせを繋ぐかは、商圏と問い合わせの入り方で変わります。自社の場合は、どのエリアから問い合わせが入っているかと、競合サイトがどのエリアに導線を寄せているかを見ないと決まりません。
内部リンクは何本くらいまでに抑えるべきですか?
一律の上限はありません。数十ページの店舗サイトと数千ページのサイトでは、同じ本数の意味が変わります。サイトの規模や、そのページ群を何のために置いているかで、同じ本数が多すぎにも少なすぎにもなり、判断の材料どうしが互いに逆を指すこともあります。自社の場合は、現在の階層構造と主要ページへの導線の集まり方を見ないと決まりません。
エリアページの内部リンクを整えれば、順位は上がりますか?
順位に効くのは、リンク構造と各ページの中身を同時に積んだときです。リンクは評価を運ぶ経路なので、内容のあるページに導線が集まっていれば、その内容が届きやすくなります。一方で、中身の薄いページ同士を繋ぐだけでは薄いページ群が互いを紹介し合う状態にとどまり、内容のあるページが孤立していればその内容は届きません。自社の場合は、孤立ページの有無と各エリアページの中身の厚みを並べて見ないと、どちらが先に効くかは決まりません。

まとめ

内部リンクは量で効くものではなく、どこからどこへ、どんな言葉で繋がっているかという構造で意味が変わります。全ページを等しく繋げば重要度の差は消え、置き場所の違うリンクを本数でまとめて数えた時点で判断がずれます。そして本数を増やす作業の裏側では、どこからもリンクされない孤立ページが、正常に表示されたまま静かに生まれ、そのエリアからの問い合わせを取りこぼし続けます。自社サイトがいまどの状態にあるかは、サイトの中から一枚ずつ開いても見えてきません。構造を外から辿り直し、同じ商圏の競合の組み方と並べて初めて形になるもので、その材料は自社の解析画面には一行も残りません。外から見たときの並び方は社内からは再現できないので、その比較を持っている側に出してもらうほうが早く、確実です。

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F FACTOR編集部

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