順位が動かなくなってから、何か月経ちましたか。投稿は続けている。写真も足した。口コミにも返している。それでも計測のたびに同じ数字が並ぶ。この状態を「やることはやったので、あとは待つしかない」と受け止めている店が少なくありません。ですが、数か月動かない順位には、動かないなりの理由が必ずあります。順位は待っていれば上がるものではなく、狙って動かすものです。停滞している店を見ていくと、動かない原因は大きく4つのずれに分かれます。どれに当てはまるかで、打開の手は正反対になります。
「やることはやった」店で起きていること
停滞している店の話を聞くと、共通しているのは「作業量は足りている」という感覚です。実際、管理画面の更新履歴を見せてもらうと、毎週なにかしら手が入っています。作業が止まっているわけではない。
それでも順位が動かないのは、作業の量と、順位を決める要素の動きが一致していないからです。Googleは、ローカル検索の順位を「関連性」「距離」「知名度(視認性)」の3つで決めると公表しています。距離は店を動かさない限り変わりません。つまり距離で負けているぶんは、関連性と知名度で取り返すしかなく、そこは設計で動かせる領域です。問題は、手を入れている場所が、この2つのどこにも効いていないケースが多いことです。
ここから、停滞している店で実際に見つかる4つのずれを順に見ていきます。
ずれ1:計測の取り方が停滞を作っている
順位が動いていないのではなく、動いているのに見えていない、という状態があります。
Googleマップの順位は、検索する場所によって変わります。店の目の前で測れば上位に出て、駅の反対側で測れば圏外、ということは珍しくありません。1地点だけで測っている店は、その地点で動きがなければ「停滞」と判断します。ところが商圏の別の地点では順位が上がっていたり、逆に落ちていたりします。1地点の数字は、商圏全体の変化を代表していません。
もう一つ、検索語の選び方があります。自店の業態名だけで測っている店は多いのですが、実際に来店につながっている検索語は、業態名に地名や用途がついたものです。測っている語が来店に効いていない語なら、その順位が動かなくても売上は変わりませんし、逆に動いても変わりません。何を測るかを決めた時点で、停滞に見えるかどうかが決まっています。
この型に当てはまる店は、施策を変える前に計測の設計を疑う必要があります。ただし、どの地点で、どの語を測るべきかは、商圏の形と競合の位置で変わるため、一律には決められません。
ずれ2:手を入れた場所と、順位が決まる場所が違う
もっとも多いのがこの型です。投稿を増やす、写真を足す、といった作業は目に見えて進むので続けやすい。ところが、狙っている検索語に対して自店の「関連性」を決めているのは、投稿の頻度ではなく、カテゴリの選び方、説明文の書き方、属性の設定、サービス項目の構成といった、プロフィールの骨格にあたる部分です。
骨格が狙う検索語とずれていると、その上にいくら投稿を積んでも、Googleは自店をその検索語の候補として扱いません。候補に入っていない店の順位は、動かないのではなく、そもそも競争に参加していない状態です。この状態で投稿を続けても、数字は変わりません。
骨格を直すとき、店名に検索語を足すのは避けてください。看板や登記と異なる名称をプロフィールに入れることはGoogleのガイドライン違反にあたり、修正の要請や停止の対象になります。順位を狙って動かすのと、ルールの外で動かすのは別の話です。
骨格のどこがずれているかは、自店のプロフィールだけを見ても分かりにくいところです。同じ検索語で上位に出ている店が、カテゴリや説明文をどう組んでいるかと突き合わせて、初めてずれの場所が特定できます。
ずれ3:競合が同じ速度で積んでいる
自店は正しい場所に手を入れている。それでも動かない場合、疑うのは競合の動きです。
順位は相対評価です。自店の知名度が上がっても、上位の店が同じ速度で口コミを集め、写真を足し、情報を更新していれば、差は縮まりません。自店の管理画面には自店の数字しか出ないので、競合が積んでいることは見えません。自店の数字が伸びているのに順位が動かないとき、多くの店は「効いていない」と判断して施策を変えます。実際には効いているが、競合も同じだけ効かせている、という状態です。
この型では、施策を変えるのは逆効果になりがちです。必要なのは、競合が積んでいる速度を把握したうえで、それを上回る積み方に切り替えることです。どこで上回るかは、競合がどこを手薄にしているかで決まり、これは商圏ごとに違います。
当社FACTORが停滞の相談を受けたとき、最初に見るのは自店の管理画面ではありません。同じ検索語で上位に並んでいる店が、この数か月でどこに手を入れたのか、口コミの増え方はどうか、写真や属性は何が変わったかを並べます。自店の数字だけでは停滞の型が判別できないからです。競合側の時系列は自社の管理画面には出てこないため、社内で組み立てるのは難しい部分です。
ずれ4:積み重ねすぎて、何が効いたのか分からない
4つ目は、停滞そのものではなく、停滞を打開しようとして起きるずれです。
動かない期間が長引くと、焦りから複数の変更を同時に入れたくなります。カテゴリを変え、説明文を書き換え、写真を入れ替え、投稿の内容も変える。これを同じ週にやると、その後に順位が動いたとき、どれが効いたのか分からなくなります。逆に動かなかったときも、どれが足を引っ張ったのか分かりません。
結果として、次に何をすればいいかの根拠がなくなり、また同時に複数を変える。この繰り返しに入ると、順位が動いても再現できず、落ちても戻せなくなります。停滞からの脱出で失われやすいのは、時間ではなく、因果の追跡です。
変更をどの順番で、どの間隔で入れるかは、順位を狙って動かすうえで中核になる設計です。順番を誤ると、効いた施策を効かなかったと誤認して止めてしまうことさえあります。自店の場合にどう組むべきかは、いまのプロフィールの状態と競合の動きを見ないと決められません。現状の確認から入るのが、結果的に近道になります。GoogleマップのURLを貼れば、要点はその場で表示されます。
打開の判断はどこで割れるか
4つのずれは、それぞれ打開の手が違い、正反対を指すものもあります。あるずれでは施策を変えることが正解になり、別のずれでは施策を変えないことが正解になる。どれに当てはまるかを取り違えると、正しい施策を止め、効かない施策を続けることになります。症状の見え方は同じ「動かない」でも、根は違います。
そして厄介なのは、複数のずれが同時に起きている店が珍しくないことです。計測がずれていて、かつ競合が速い。骨格がずれていて、かつ変更を同時に入れすぎている。この場合、どちらを先に直すかで結果が変わり、その順番は店の状況ごとに違います。
数か月動かない順位を放置すると、その間に競合との差は開き続けます。順位が同じ位置にあるように見えても、上位との距離は広がっていて、あとから追いつくのに必要な量は増えていきます。停滞は現状維持ではなく、静かに後退している状態です。自店がどのずれに当てはまるかは、自店の数字と商圏の並びを両方見て初めて分かります。まずは現状の確認から始めてください。
よくある質問
投稿や写真を続けているのに順位が動かないのは、施策が間違っているからですか?
順位が動かない期間がどれくらい続いたら、対策を変えるべきですか?
順位の計測は1地点で十分ですか?
まとめ
数か月動かない順位には、動かないなりの理由があります。見え方は同じ「停滞」でも、根にあるずれは店ごとに違い、打開の手は正反対を指すことがあります。取り違えると、効いている施策を止め、効かない施策を続けることになります。そして順位は待って上がるものではなく、狙って動かすものです。距離で負けているぶんは関連性と知名度で取り返せますが、どこをどの順番で動かすかは、自店の状態と競合の並びを見ないと決められません。まずは現状を確認してください。
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